不動産は資産ではなく、”産業廃棄物”の時代へ

日本は、戦後である昭和の時代、人口が増え、産業・工業がめまぐるしく発展した高度成長を経験しました。

 

そして不動産価格もどんどん跳ね上がって、高騰しました。

 

別荘地の、使えそうもないとんでもない斜面の土地が、何千万円もしました。

そんな使い道のない別荘地の土地ですら、すぐに転売すると、さらに高値で売れていきました。

 

この時期を、バブルの時代と表されています。

 

現地に行って不動産(物件)を見ることもしないで、購入する人もいたほどです。

 

 

銀行からは「お金を借りて下さい」と頼まれる時代でした。

 

 

「不動産を持っていない」「不動産を買う予定はない」などと言うと、「えっ?馬鹿じゃないの!」「不動産は値上がりし続けるから、必ず儲かるよ」「とにかくすぐにでも不動産を買うべき」なんていう、今では信じられない風潮でした。

 

 

売れない不動産

学生時代に、経済の勉強で、需要と供給のバランスというのを勉強しましたね。

 

現代の不動産状況は、供給(売り手)が過多の状態です。

 

需要(買い手)が少ないのに、都市部ではタワーマンションがたくさん建設され、乱立しています。

新築一戸建ても、消費税10%への増税前に建てて売ってしまえと、あちこちで新築が建っています。

 

しかし、売れなくなっています。

新築なのに、売れ残りが多数出ています。

 

今後、日本は人口も減り続け、不動産はもっともっと売れなくなります。

 

売れないということは、値下がりします。

 

売れない不動産を持っていると、固定資産税や管理費や維持費だけにお金がかかり、所有者は負担を抱えます。

このような状況で、不動産は、到底資産なんて言えません。

 

・年間に、数十万円から100万円の費用(固定資産税・修繕費・管理費など)が不動産にかかってしまうので、売って手放したいけど、誰も買ってくれない…

 

・不動産業者に売却をお願いしたら、「その不動産は売れないので、扱えない」と言われた…

 

・この不動産をもう所有したくないので、無料(タダ)でいいから誰かに譲りたい…

 

・無料(タダ)でも買い手がいないので、所有者(売り手)がお金を払ってでも、不動産を手放したい…

 

 

現代の日本には、売りたいのに売れない不動産を持っていて、辟易している所有者が大勢います。

 

不動産は、お金を払って買う時代ではなく、売主からお金をもらって買ってあげる時代になるでしょう。

 

不動産を所有している者は、売れない不動産を手放すためには、お金を出して「貰って下さい」という取引をする時代が来ているのです。

 

 

『不動産を処分(売却)するために、お金を払う』

 

 

不動産は、資産ではありません。

 

処分するためにお金を払う、不動産は産業廃棄物(ゴミ)になる時代へ、ということです。